事実・解釈・行動を分ける「空・雨・傘」の思考法。コンサルが教える意思決定の黄金ルール

空雨傘のフレームワークを紹介したブログのサムネイル画像

はじめまして。Office LOTUS 代表の渥美です。
私は現役の金融機関職員として金融業務に従事する傍ら、「副業中小企業診断士」として企業の伴走支援を行っています。

皆さんはビジネスの現場で、上司やクライアントから「結局、何が言いたいの?」「根拠は何?」と問い詰められた経験はないでしょうか。
あるいは、良かれと思って提案した改善案が、なぜか周囲の賛同を得られず、実行に移されない……。

こうした行き違いが起きる最大の原因は、情報の「質」ではなく、情報の「整理」にあります。

以前、当ブログでは以前に 「問題」と「課題」の違いについて解説しました。
実は、正しく抽出した「問題」を、周囲が納得する「解決策(アクション)」へと昇華させるためには、もう一段階上の思考プロセスが必要です。

それが、コンサルの新入生が真っ先に叩き込まれる「空・雨・傘(そら・あめ・かさ)」というフレームワークです。
今回は、このシンプルながらも強力な思考法を、実務での活用例を交えて詳しく紐解いていきます。

「空・雨・傘」とは、物事を「事実」「解釈」「判断」の3つのステップに分けて考える思考の型です。

  • 空(事実):客観的に見えている状況は何か?
    「空が曇っている」という事実。誰が見ても変わらない、数字や現象です。
  • 雨(解釈):その事実から何が言えるか?(洞察・予測)
    「雨が降りそうだ」という解釈。事実に基づいた自分なりの分析です。
  • 傘(判断):解釈に基づいて、何をするのか?(結論・行動)
    「傘を持っていく」という判断。分析の結果、導き出された具体的なアクションです。

この3つが一本の線で論理的に繋がっているとき、初めて人は「なるほど、その通りだ」と納得します。

なぜ、私たちの報告や提案は時として説得力を失うのでしょうか。

それは「空・雨・傘」のどこかが欠けているか、あるいは繋がっていないからです。

① 「空」だけで終わる(報告の欠如)

「今月の成約率が5%低下しています」という報告。これは事実を伝えているに過ぎません。ビジネスにおいて、事実だけを並べるのは「作業」であり「仕事」ではありません。「で、君はどう思うの?(雨)」「どうするつもりなの?(傘)」という問いに答えられないため、信頼されるパートナーと見なされにくくなります。

② 「傘」だけを主張する(根拠なき独断)

「新システムを導入すべきです!」という提案。これは結論である「傘」だけを突きつけている状態です。なぜその結論に至ったのかという根拠が見えないため、周囲からは「思いつき」や「主観」だと思われ、反対に遭いやすくなります。

③ 「雨」が飛躍している(ロジックの破綻)

「空が曇っている(空)」→「だから、今日は会社を休もう(傘)」。これは極端な例ですが、ビジネス現場では頻繁に起きています。「残業時間が多い(事実)から、人を増やしましょう(結論)」という提案も同様です。本来は「なぜ多いのか」という解釈(雨)が必要です。業務フローの非効率が原因であれば、人を増やすのではなく「IT化」こそが正しい傘になるはずです。

私が日々支援しているIT導入やDX推進の現場では、このフレームワークこそがプロジェクトの成否を分けることがあります。

例えば、ある企業の「事務作業の効率化」をテーマに少し具体的に考えてみましょう。

空(事実):
「営業事務担当者が手入力で月間100時間の伝票処理を行っている。入力ミスによる差し戻しも月平均10件発生している」

雨(解釈):
「この作業は定型業務であり、自動化の余地が非常に大きい。差し戻し対応によるロス時間が、本来やるべき付加価値業務を圧迫している」

傘(判断):
「RPAを導入し、手入力を自動化する。これにより月間80時間のコスト削減とミスゼロを同時に実現すべきである」

このように提示することで、意思決定者は「やるべき理由」に100%納得できます。さらに「目的と目標」の記事で書いたように、「80時間の削減」を目標に置くことで、導入後の評価も明確になるのです。

いかがですか?
言葉に説得力が増しますよね。

今日からこの思考法を実務に取り入れるために、以下の3点を意識してみてください。

  1. 「事実」と「意見」を峻別する:
    「売上が悪い」は主観(意見)です。「売上が予算比20%減少している」が事実です。事実を正しく捉えなければ、その後の判断はすべて狂います。
  2. 複数の「雨(解釈)」を検討する:
    「空が曇っている」からといって、結論は「傘を持つ」だけではありません。「車で行く」「予定を1時間早める」といった選択肢から、最も投資対効果が高いものを選び抜くのがプロの仕事です。
  3. 既存の型と組み合わせる:
    整理した事実はロジックツリーで構造化し、導き出した結論はPDCAで実行に移しましょう。当ブログで紹介している他の手法と組み合わせることで、このフレームワークは真の威力を発揮します。

「空・雨・傘」は、単なる報告のテクニックではありません。
目の前の現象を冷静に観察し、その裏にある意味を考え抜き、覚悟を持って行動を決めるための「プロの思考習慣」です。

「空」を見て満足せず、「雨」を読み解き、最適な「傘」を差し出す。
この繰り返しが、あなたを代わりの効かないビジネスパーソンへと成長させてくれます。

自社の課題に対してどのような「傘」を差し出すべきか迷われたときは、ぜひ Office LOTUSへお気軽にご相談ください。
事実(空)の整理から、共に考えさせていただきます。

いかがでしたでしょうか?
今回は、説得力を圧倒的に高めるための思考法、「空・雨・傘」についてご紹介しました。

こうしたフレームワークを少し意識するだけで、思考法や頭の中の解釈の整理は各段にアップします。
新入生や、若い世代の社会人の方にも是非、理解していただきたいフレームワークの一つです。

質問やコメントもどしどしお待ちしておりますので、↓こちら↓からお願いします。

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