【現役の金融機関"ナカの人"が断言】創業融資で「即落ちる」事業計画書の共通点3選。審査通過のカギは「美しい数字」ではありません

創業融資で即落ちる事業計画書の共通点と審査通過のポイント(現役銀行員・中小企業診断士が解説)

こんにちは。Office LOTUS 代表の渥美です。
私は現役の金融機関職員として金融業務に従事する傍ら、「副業中小企業診断士」として企業の伴走支援を行っています。

今回のブログのテーマは、「創業での資金調達で注意すること」です。

創業融資で即落ちる事業計画書の共通点と審査通過のポイント(現役銀行員・中小企業診断士が解説)

「画期的なビジネスモデルなんです!」
「競合がいないので、絶対に儲かる自信があります!」

私は金融マンとして、お客様と商談や面談をすることがありますが、
そうした時、目を輝かせた創業者の方からこれらのような熱いプレゼンを受けることがよくあります。

その情熱やビジョンは、経営者として欠かせない要素です。
しかし、冷水を浴びせるようですが、「情熱」だけで融資が通ることは、金融実務ではほぼ100%あり得ません。

逆に、口下手で地味な事業計画書でも、
「この人には安心して貸せる」と即決し、
その日のうちに審査の手続きを進める案件もあります。

今回は、現役の金融機関職員であり、
中小企業診断士として数多くの創業支援を行う私の視点から、

融資審査に通る人と落ちる人の決定的な差」について、
現場のリアルをお話しします。

Web上の「創業融資のコツ」には書かれていない、
金融機関の審査担当者の「本音」を公開します。

多くの創業者の方は、事業計画書で「未来(売上予測)」を語ろうとします。
「1年後には売上が2倍になり、3年後には業界トップクラスに…」というバラ色のシミュレーションです。

しかし、我々審査する側が最も重視し、一番最初にチェックするのは「過去」です。

根拠のない自信よりも、根拠に基づいた不安、とも言えますかね。

「見せ金」は一瞬で見抜かれる

よく「自己資金はいくらあればいいですか?」と聞かれることがあります。

しかし大切なことは金額の多寡(たか)だけではありません。
私たちが通帳を見る時、

チェックしているのは「どうやってそのお金を貯めたか(積立の履歴)」です。

  • 審査に通りにくい人の例: 審査の直前に親族から借りて、ドカンと入金された100万円。
  • 高く評価される例: 毎月3万円ずつ、給料から天引きでコツコツ3年間貯めた100万円。

後者には「計画性」と「忍耐力」という、経営者に不可欠な資質が表れています。

融資審査とは、お金を貸すことではなく、「過去の行動から、その人の信用力を格付けすること」なのです。
夢があって開業をするのであれば、夢に向けてあなたはどのように準備してきましたか?
という問いに対する回答(行動)が、自己資金の積み立て、計画性として反映されるのです。

【金融機関の視点】クレジットカードや税金の滞納という「隠れた罠」

さらに残酷な事実をお伝えします。

事業計画書がどれだけ完璧でも、
個人の信用情報(JICCやCICなどの指定信用情報機関のデータ)に「傷」があれば、一発でアウトになる可能性が極めて高いです。

携帯電話の端末代金の分割払いの遅れ、
クレジットカードの引き落としエラー、
あるいは税金や公共料金の未納。

これらがある状態では、どれほど綿密に事業計画書を書いても融資は難しくなります。

「自分の生活費の管理すらできない人に、事業資金は貸せない」というのが銀行の冷徹な論理です。
それだけ金融機関は「クレジットヒストリー」を重要視しています。

次に重視するのが、「創業動機」と「職務経歴(キャリア)」の整合性です。

例えば、ずっとITエンジニアをしていた方が、
突然「ラーメン屋をやりたい」と言い出したとします。

「ラーメンが好きだから」「食べ歩きをしていて舌には自信があるから」という理由だけでは、融資は通りません。
厳しい飲食業界を勝ち抜けるだけの「経営の勝算」が見えないからです。

  • 審査員の視点: 「この事業を成功させるためのノウハウや人脈を、あなたは過去のキャリアで身につけていますか?」

求められるのは「誰でもいい」ではなく「あなただから」

審査で見ていることは、「成功の再現性」です。

「前職の店舗マネジメントで、原価率を◯%改善した実績がある」
「業界に10年おり、すでに安定して発注をくれる見込み客が◯社ある」
といった、客観的な事実が必要です。

もし未経験の分野に挑戦するなら、
不足しているスキルをどう補うのか(フランチャイズ加盟、経験豊富な右腕の存在、ITエンジニアのスキルを活かした独自の業務効率化など)を、論理的に説明し、
あなただからこそ勝てる理由」を補足説明して、論理を補完しましょう。

最後に、事業計画書の数字についてです。

多くの計画書は「売上」を楽観的に見積もりすぎですが、
実は審査担当者が最も厳しく見ているのはそこではありません。

我々が見ているのは、
「最悪の場合、売上が計画の8割に落ち込んでも、毎月の返済が滞らないか(ストレス耐性)」

という点です。

金融機関の人間が頭の中で弾く「計算式」

審査の現場では、返済能力を見るために以下の計算式を使います。

【 返済財源 = 税引後当期純利益 + 減価償却費 】

※本来は、キャッシュフロー計算書を作成し、「フリーキャッシュ」と呼ばれる資金繰りを押さえるのがベストですが、本件はわかりやすくするために簡易キャッシュフローと呼ばれる算式を用いています。

この合計額が、年間の返済額(元金)を上回っているかどうか。
これが審査の合否を分ける絶対的なボーダーラインです。

なぜ「減価償却費」を足すのでしょうか?
減価償却費とは、設備投資などの費用を複数年に分けて計上する会計上のルールです。
つまり、「帳簿上は経費として引かれているけれど、実際には今年、会社から現金が出ていっていない(手元に残っている)お金」なのです。

「利益」は会計上の意見にすぎませんが、「減価償却費」を含めた手元のキャッシュ(現金)は事実です。
黒字倒産という言葉があるように、帳簿上で利益が出ていても、手元の現金がなくなれば会社は潰れます。

審査に通る経営者は、単なる売上目標ではなく、この「お金の入りと出(キャッシュフロー)」のシミュレーションが極めて精緻です。
※それだけ資金繰り表の作成は重要です。

資金繰りについては、こちらのブログも併せてご覧ください。
↓↓

利益とキャッシュの違いを説明したブログのサムネイル

創業融資の審査にウルトラCはありません。
審査側が「この人なら大丈夫だ」と安心して決裁を下すのは、以下の3点が揃った時です。

  1. コツコツ貯めた自己資金と、クリーンな信用情報(過去の蓄積)
  2. 客観的な実績に基づく、成功の再現性(プロのスキル)
  3. キャッシュフローに基づいた、地に足の着いた返済計画(現実的な数字)

この3つが揃っていれば、どんなに厳しい金融機関でも「否決」の判をつくことは難しいでしょう。

もし、「自分の作った事業計画書が、プロの目にどう映るか不安だ」という方は、
ぜひ一度ご相談ください。

「お金を借りられるか」という目先の話だけでなく、
「事業を確実に継続させ、成長できるか」という本質的な視点で、忖度なしのフィードバックをさせていただきます。

※免責事項
本記事の内容は、筆者の金融機関および中小企業診断士としての実務経験に基づく見解であり、すべてのケースにおいて融資の可決を保証するものではありません。金融機関の審査基準は時期や個別の状況により異なりますので、最終的なご判断はご自身の責任において行っていただけますようお願いいたします。

いかがでしたでしょうか?
今回は、創業融資や資金調達の際に役立つ情報についてご紹介しました。
是非参考にされてください。

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