文系受験生必見! 難敵「経営情報システム」の攻略法

こんにちは、Office LOTUS あつみ中小企業診断士事務所代表の渥美です。
先日、中小企業診断士一次試験の合格発表がありました。

見事、二次試験への受験資格を得られた皆さん、おめでとうございます🎉
今回は残念だった皆さん、努力したことを否定される訳ではないので、来年の合格に向けて、また学習を進めていきましょう。

とは言え、闇雲に勉強するのは効率も悪い。
また、このようなことを思っている受験生はいませんか?

「こんなに頑張ったのに、なんで合格できなかったの--------。。。」
「一年前より、点数下がってるやん!(変わってないじゃん!)」


いらっしゃると思います。
かくゆう私がそうでした。多年度生が必ず一回は陥る悩みかと。

受験勉強も、企業経営も戦略が大切です。
特に、中小企業診断士一次試験の中でも、

「経営情報システム」

の科目については、他の科目とは少し毛色の違う対策や学習法が必要であると、私は最近の出題傾向から感じています。
※私のプロフィール・背景については、コチラから確認ください。(文学部出身で、現在は金融機関のDX部門に所属しています。)

また、この科目は「応用情報技術者試験」の合格により、科目免除が申請できるため、
そもそもの受験戦略も検討な必要な科目であり、今まさに悩んでいる受験生も多いと思います。

今回は、そのように悩める受験生の方に少しでもお役に立てればと、私の経験と実務での感覚を元にした

経営情報システム試験の合格法

について、お伝えします。
特に、

  • 自分は文系であり、経営情報システムには苦手意識がある
  • 過去問中心に勉強を進めてきたが、思うように点数が伸びない
  • 非IT系だけど、応用情報技術者試験をこれから勉強し、科目合格を狙おうとしている

↑こんな方に是非読んでいただきたい内容になっています。
3分で読めますので、是非最後までお付き合いくださいね。

中小企業診断士一次試験「科目免除」制度とは?

中小企業診断士の一次試験には、「科目免除」という制度があります。
簡単に言うと、
「総合不合格となっても、60点以上が取れた科目がある場合、2年間は合格扱いにして受験しなくていいよ」
という制度です。

ですので、例えば今年の一次試験に不合格なった方の中で、
60点以上の科目がある方は、向こう2年間は受験しなくても60点扱い(合格扱い)になります。
科目合格が得意科目である場合はこの免除制度を使わずに「貯金」をつくる、という作戦を立てられるかたもいますね。
※このあたりの解説がメインではないので、今回は簡単に..

気になる方は、協会や予備校などが出している情報などでご確認を。

ここからが本題。

この、科目免除制度には、先述した「科目合格による免除」以外にも、なんと、

他資格等保有による免除

という免除の仕組みがあるんです。
つまり、
「この資格を持っている人は、受けなくても合格扱いにしてあげますよ
ということですね。

なんとまあ、素晴らしい制度ではありませんか。
使えるものなら使いたいですよね?
そうです、使えるならツカイタイです!!使えるなら。

どのような資格を持っていると、科目免除があるかというと・・・

  • 公認会計士(経済学・経済政策/財務・会計)
  • 不動産鑑定士(経済学・経済政策)
  • 税理士(財務・会計)
  • 弁護士(経営法務)

などなど。
どうですか?

当然といえば当然ですが、
こうした資格は診断士の一次試験よりも「上位資格」であるからこそ、免除になるわけで。

今保有していない人がこれらを取得することは少しハードルが高そうですよね。

ただ、経営情報システムについては、以下の試験の合格で科目合格が認められています。

◆ 情報処理技術者試験合格者(IT ストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、システムアナリスト、アプリケーションエンジニア、システム監査、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発、第1種、情報処理システム監査、特種)

※出所:中小企業診断士一次試験案内より抜粋

応用情報技術者試験。そうです。通称「応用情報」
こちらの試験については、賛否ありますが、他資格と相対的に比較すると、最も難易度は低いのではないかと私は思います。

出所:IPA公式サイトより_試験区分一覧

上図は、情報処理技術者試験を運営するIPAが公式サイトで案内している図です。(2025年9月現在)
※注意※今後、新たな試験の導入・改廃も発表されていますので、今後は変更になる可能性が高いです

ITストラテジストなど、応用情報技術者試験以外の試験については、いわゆるIPAの試験の中でも「最高難易度(レベル4)」の位置づけとなっています。
一方で、応用情報はその一つ下のレベル(レベル3)に位置付けされます。

ですので、

「(比較的挑戦しやすい)応用情報に合格して、経営情報システムの免除を狙おう!」

という作戦を立て、科目免除を狙いに行く受験生がしばしばみられるようです。

ただ、私の持論では、
「経営情報システムで60点以上を取る方が易しいし、その後の実務でも活かせる」

と考えています。
※実は私も応用情報で科目免除を狙おう!と考えて実行に移したことがあります。

科目合格者の推移(経営情報システム)

経営情報システムの科目合格者の推移についても確認しておきましょう。

出所:中小企業診断士の統計資料を元に筆者作成

全体の合格率は低下傾向、つまり中小企業診断士一次試験は難化傾向にありながら、経営情報システムだけをみれば科目合格率は15%前後で比較的安定している印象です。

ここから伝えたいことは、

しっかりと正しい対策ができれば、60点(合格点)を取ることはそこまで難しくない試験

ということです。

「しっかりと正しい対策」が難しいですし、対策しようと思って応用情報を受験する人がいらっしゃいます。
その気持ち、よくわかります。

私の考える正しい対策について、次のセクション以降でお伝えします。

科目免除のために「応用情報」を取得するべきか?

先ほども記載の通り、私の持論では「否」。
科目免除のために応用情報は遠回りだと思います。

  • そもそも応用情報の方が難易度が高い資格である
  • 応用情報の試験は、ITパスポートや基本情報技術者試験の学習や知識がベースとなっており、システム利用者・ユーザー部門の人には馴染みのない(=通常使わない)ような細かい知識も多い

以上二点が理由。

情報処理技術者試験を運営するIPAは、経済産業省の外郭団体です。

Office LOTUS

ここで質問。
中小企業診断士の試験を所管する団体は?

<答え>
経済産業省(中小企業庁)

ですよね。

そうなんです。
IPAは、経産省の外郭団体、診断士試験は経産省が管轄をしています。
そして、試験科目の免除は「上位資格」でしたね。

ですから、明らかに経営情報システムの方が試験難易度は「易しい」はずなんです。

受からないから・・などといって、応用情報の学習を始めると、沼にはまります。。

また、文系で、金融機関のDX推進部署におり(システム部門ではありません)、日々業務にあたっている人間からすると、

実務で使うことは、基本情報技術者試験、さらに言えばITパスポート試験のレベルで十分

です。

ですので、もし少し違う勉強をされたいのであれば、基本情報の科目A試験の勉強がぴったりと思います。
※科目Bは、経営情報システムとはあまり関係のないのでご注意を。

応用情報技術者試験は、
これからSEを目指す人などが専門性を高めていくために取得する資格です。

もし、将来そうした道を目指しているのであれば、是非、取得をオススメしたいです。

一方で、私と同じようにシステムを開発するのではなく、「ユーザー」として利用する立場であったり、企画をする立場の人にとっては、学習内容が専門的かつ高度すぎると思います。

診断士合格後のキャリアをみつめた時にも、明らかに使える知識は基本情報やITパスポートの学習内容であり、むしろそれらの試験で「高得点」を取れるように勉強する方が実務的であり、試験に有効であると思います。

「経営情報システム」に合格するための勉強法

最後に、簡単に私がおすすめする学習法を理由とともにお伝えします。

<オススメ学習法➀>

「過去問は解かない」

いきなり刺激的でごめんなさい。
診断士一次試験の王道と言えばやはり過去問です。

ただ、経営情報システムという科目の最近の出題傾向は明らかに変わってきていて、
技術革新や進歩の潮流を踏まえた問題が多く出題されます。

つまり、大事なことは「過去」よりも「現在と未来」です。

なので、直近3年分くらいの過去問は参考にできると思いますが、
それ以前のものは情報が古くなっている可能性があるので、優先順位を下げていいと思います。

代りに私のオススメとしては、

TACさんから出版されているスピードテキスト。
これ一択です。

こちらは、過去問だけでなく最近の問題のトレンドを踏まえた新たな傾向の問題の取扱いがあり、非常に網羅的だと思います。
実際に私も他の科目は過去問10年分を解きましたが、経営情報システムだけは過去問はほとんど解いていませんが70点以上をを取得できました。

<オススメ学習法②>

IPAの公式サイトをチェックする

スピードテキストに加えてオススメなのが、IPAのWebサイト。

https://www.ipa.go.jp

こちらですね。
こちらに掲載される「新着情報」や「セキュリティ」に関するお知らせが宝の山。

是非定期的にチェックすることをオススメしたいです。

<オススメ学習法③>

予備校の模擬試験を沢山受験する

最後は模擬試験です。
「過去」を押さえることよりも、「今」を押さえることが大事な試験ということは繰り返しお伝えした通りです。

やはり予備校の模擬問題が一番学習効果が高いと思いますので、どんどん受けて、全部吸収するくらいの気持ちで学習されたいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

人それぞれ、これまでの経験やベースの知識が異なります。
加えて、現在の職種やこれからやりたいこともさまざまです。

今回の私の受験対策をオススメした方は、

  • 文系の方
  • これからシステム開発やエンジニアを「目指さない」方
  • 試験合格後も使える知識を身に着けたい方
  • 経営情報システムに効率よく合格したい方

です。
是非、ご参考にされてください。

特に2026年度からは応用情報技術者試験がCBT化され、通年での受験が可能になります。
応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について
※出所:IPA 公式サイト_2025年8月12日ニュースリリースより

このことで応用情報の受験をお考えになる方もいらっしゃるかと思いますが、
ご自身のこれからのキャリアなども考慮の上、学習計画を立てられることをおすすめします。

質問やコメントもどしどしお待ちしておりますので、↓こちら↓からお願いします。

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