OODAとPDCAの違い

意味を正しく理解して使えていますか?

こんにちは。Office LOTUS 渥美中小企業診断士事務所代表の渥美です。
本日は、ビジネスマンなら絶対に押さえておきたい「OODAとPDCAの違い」について解説します。

最近、「PDCAをまわすことは時代遅れ」というような記事を見かけ、少し疑問に感じたため、自分の中で整理をしてみました。
PDCAは業務改善に役立つ有効なビジネスフレームワークです。
そして、OODAも似ているようで異なる思考プロセスです。
さて皆さん、この両者の使う場面、目的を正しく理解していますか??

この解説を読んでいただければ、これまで曖昧だった言葉の理解が進みます。
サッと読めますので是非最後までお付き合いください。

明日から使えるビジネス知識~OODAとPDCAの違い~

OODAとは?

まず恒例の読み方。
「ウーダ」と呼ばれます。あるいは後ろにループ、をつけて「ウーダループ」と一般的には呼ばれています。

アメリカの軍事戦略を起原とした意思決定の行動プロセスのフレームワークとして多くのビジネスシーンで活用されています。
この言葉も、4つの英単語の頭文字から成り立っていますので、一つずつ。。

まずは、最初のO。
これは、Observe(観察)のOです。

自分が何か重要な意思決定をする場面を考えてみてください。
例えば、あなたが今、新しく一人暮らしをするために賃貸物件を探している、としたとします。まずは、物件を決める前に何をしますか?
おそらく、多くの人は、自身が払える家賃の金額はいくらくらいかな?とか、
どのあたりが生活しやすいかな?とか、
会社から近いエリアだとこの辺かな? 
などなど、まずは自分のこと、周辺のことを分析しますよね。
これがOODAの最初の「O」にあたります。

ビジネスシーンでは「3C分析※」などが使われることが多いです。
※自社、競合、顧客の状況を分析し、ブルーオーシャンがどこかを洗い出すフレームワーク。

続いてのO。
こちらのOはOrient(状況判断)のOです。
「方向性を決める」ということですね。

先ほどの賃貸物件探しの例で言えば、
自分が家賃に支払える毎月のお金はこのくらい、
住みたいのはこの辺り、
独立洗面台が欲しい!

などを決めれば、数多ある賃貸物件から自分の意向にあったものを選びやすくなりますよね。
この状態がOrient。

そして、
DはDecide(決定)のDです。

方向性が決まり、ある程度選択肢が絞られた状況の中で、その時点で一番良い、と思われるもの一つに決定します。
先ほどからの例であれば、いよいよ物件を「これにしよう!」と決めた状態です。

最後はA:Action(実行)です。
決めて戦略、具体策を実現に移していく、ということで、これは分かりやすいです。

賃貸物件、これにしよう!と決めたら、内覧の申し込みや実際に契約申し込みをしますよね。
このような意思決定をOODAによる意思決定プロセス、と呼んでいます。

PDCAとは?

PDCAは、もう古からのロングセラーフレームワークですので、知らない人はいないかもしれません。
日本人でみそ汁を飲んだことが無い人はいないのと同じで、
ビジネスマンであればPDCAを知らない人はいないかもしれませんね。

それでも、一応簡単におさらいです。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価・検証)→Act(改善) でしたね。

よく、私の所属する企業では、事実として、以下2つの傾向があります。

➀Planに時間がかかりすぎて、実行さらに検証改善まで長期間に亘る
→その結果、社会情勢も変化し、計画も軌道修正を余儀なくされる

②無計画に実行。その後の検証、改善もほどんどされない
→トップダウンで業務が下りてくる場合に多いです。結果的にモラールの低下や業務の肥大化、生産性の低下などを引き起こすことがあります

事の大小は違えど、皆さんの会社や所属機関でも、同じような経験があるのではないでしょうか?
PDCAを計画的にまわすことは、言うは易し、行うは難し、と私自身は感じています。
(特に組織の一部として働いている場合)

図解(OODA)

OODAのフレームワークを図解したものが下図です。

OODAループ最大の特徴は、意思決定までのプロセスが早いことが挙げられます。

かつての商品企画事業などの分野では、長年の研究の末、というものも多くあったと思いますが、
近年では生成AIや情報の多様化(SNSなど)などを背景に、ビジネスの環境も、めまぐるしく変容する世の中になりました。

こうした中、ゆっくり、じっくり、では、世の中に置いて行かれてしまいますよね。
そうならないように、として利用され始めたのがこのOODAです。

その結果、システム開発においてはアジャイル思考などの従来にはないシステム開発の考え方も普及し、今では開発フローとしての市民権を得ています。

図解(PDCA)

PDCAの図解はこんな感じですかね。
ここは皆さん見慣れていると思いますので、図表の紹介だけにします。

OODAとPDCAの違い

これまで、OODAループと、PDCAについての整理を進めてきました。
それぞれの違いについてまとめたものが上図です。

OODAは、迅速な意思決定を目的にしていますので、ハプニング大歓迎。
時間や制約条件が多い中、その中でも今判断できる最高の選択は何か?ということを決定するための思考プロセス。

一方でPDCAは、しっかり、着実に、堅実に、というイメージでしょうか。
既存業務の効率化だったり、自社の従業員教育などの場面で大変有効な思考プロセスになります。

ここでは、それぞれのデメリットを押さえてください。
これが重要です。

OODAのデメリット

スピード感のある迅速な意思決定を支える考え方であるが故に、
・判断を誤る
・属人化する
・短期的な視点での決定になりやすい
などのデメリットがあります。

PDCAのデメリット

PDCAでの意思決定の最大の弱点は、やはり、
・PDCAのサイクルをまわすことに時間がかかる
ことだと思います。

こうした両者の違いや弱点を理解した上で、その時その時で適切な判断をできる組織、ビジネスマンを目指したいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
PDCAも、OODAも、その言葉自体を理解することよりも、
使ってみる、やってみることのほうが何倍も重要です。(アウトプット思考!)

ただし、闇雲に使うのではなく、意味を正しく理解した上で活用できるとより有効ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

渥美中小企業診断士事務所

ホームページ: https://atsumi-consulting.com/

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