知って得するビジネスフレームワーク_MECE
知って得する!ビジネスに役立つ考え方のフレームワーク_MECE
こんにちは。Office LOTUS 渥美中小企業診断士代表の渥美です。
今回からは、新しいテーマを連載していこうと思います。
「ビジネスフレームワーク」です。
皆さんの周りには、「あの人の説明は分かりやすい」「あの人はお話が上手」という方はいますか?
そのような方は自然と論理的に、体系立てて話を構成されているのだと思います。
こうした思考を一般的に論理的思考力、と言います。
論理的思考をするために、欠かすことのできないものが、今回説明する「MECE」というフレームワークです。
これを読めば、皆さんも「分かりやすい」説明ができる人になれますので、是非最後までお読みください。
MECEとは?
まず、読み方。「ミッシー」、「ミーシ―」と呼びます。
Mutually、Exclusive、 and Collectively、 Exhaustive という4つの英単語の頭文字をとった言葉です。
互いに、排他的で、且つ全体として網羅的という意味から、日本語では、「互いに重複がなく、全体として漏れがない状態」とか、「抜けやダブりのない状態」という意味で使われます。
MECEはビジネスの場面でよく使われる言葉の一つで、物事を体系立てて考えたり、論理的に説明する際によく使われるビジネスフレームワークの代表です。
更に具体的なものとしては、戦略立案の際に使う「3C」や、マーケティング戦略を検討する際の「4P」などは、MECEな思考を実現するための具体的なフレームワークとしてよく使われます。
MECEのイメージ図解
上図のように、抜けも、ダブりもない状態(左上)が最も理想的な状態です。
ビジネスの場面に置き換えると、全体の四角枠が検討をするべき範囲で、その範囲の中の事柄が体系的・網羅的に、整理されている状態です。
こうした状態にあれば、説明を聞く側にも納得感や説得力をもった説明ができますね。
反対に、右下の図は、抜けも、ダブりもある状態です。
検討するべき事柄が漏れていたり、重複して検討がされているような状態です。
「あのことは検討しなくていいの?」
「あれ、さっきも検討していなかった?」
というようなことを相手に言われてしまうかもしれませんね。
MECEの具体例
もっと具体的に、例を挙げます。
例えば、「人」をMECEに分類してみたとします。
抜けも、ダブりもない、理想的な分類の例としては、「女性」と「男性」
性別、という観点で言えば基本的には男女できれいに分類できます。
あとは例えば、10代、20代、30代、40代、50代、60代以上、というように、年齢で整理するのもMECEです。
一方、「子供」と「年金受給者」で分類したとします。
この場合、例えば25歳の社会人は当てはまりません。
40歳の主婦も、です。
このように。ダブってはいませんが、抜けがある分類となってしまっています。
また、「女性」「男性」「大人」という3つの分類はどうでしょうか?
この場合、女性と男性で既にMECEな状態です。
大人の女性、大人の男性、当然いますよね。
ですので、この3分類では、ダブりが発生しています。
最後に、「女性」と「大人」の分類。
これはもうお分かりですね。抜けも、ダブりもある、あまり体系だってない分類になってしまっています。
なぜ、MECEが重要なの?
インターネットが普及し、世界中の情報が瞬時に収集できる時代になりました。
入ってくる情報が増えることで、私たちもいろいろな情報の中から、必要な事柄を日々取捨選択するといった、情報収集能力が問われるようになっています。
こうした変化の激しい現代の社会は「VUCA(ブーカ)」時代と呼ばれ、これまでの常識や当たり前が通用しなくなってきている、と言われています。
こうした情報量が多く、日々変化する時代に企業として、経営者として生き抜くためには、変化する世の中の情勢を適切に見極め、迅速に判断することが必要不可欠です。
その、適切かつ迅速な判断の手助けをする思考こそが論理的思考、そしてMECEです。
MECEって、難しい??
重要であることは分かりました。
でも、実際に考えてみると、抜けやダブりがなく、物事を考えることはとても難しいことです。
あまり、MECEに神経質になりすぎると、逆に物事の本質が見えなくなり、誤った判断や誤った評価をしてしまうこともでてきてしまうかもしれません。
特に、これは個人的見解ですが、
抜けがないこととダブりがないこと、どちらが重要かと言われたら、
間違いなく「抜けがないこと」だと私は考えます。
全体的に網羅的であることがまずは最優先で、多少、タブったことや重複があっても、問題は些少です。
まずは、抜けがない論理構成をMECEで目指しましょう!
まとめ
MECEは、中小企業の経営者が抱えるいろいろな課題を解決するためのフレームワークの代表格です。
是非、日々の業務にMECEの考え方を取り入れてみてください。
きっと、経営の一助になるはずです。
ただし、あまり固執しすぎず、柔軟に発想することも非常に大切です。
いかがでしたか?
今回はフレームワークの代表選手MECEについてとりあげました。
次回は別のフレームワークについてもご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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